とべるのはいましかないよと涼しげに眠ったヒトデを空へと放る







(右耳だけが知っている)

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 ■ 獅子座同盟3
夏が終わってしまいましたが、8月に、こはぎさんが主催されている「獅子座同盟3」に参加してきました。
http://kohagi-orz.jugem.jp/?eid=2108
とっても素敵なデザインで!
さすがです!!

鑑賞しようしようと思ってそのままになっていたのですが、
ここで感想を書いていきたいと思います。

◆ガッキさん「スターダスト」
軽やかな相聞。夏らしさもあり、星がちりばめられたキラキラ感もあるのが素敵だと思いました。あとスピード感。あまり「君」の体温は感じられないけれど、むしろそれほどまでに、「星空が見えるぐらい君がいるのは日常」なのかな。
軽さがいいなあ。
一首目の「大切なものだけ積んで〜」の歌で、君が気にするのは体重のこと??と思ってしまうのが、ちょっとコミカルすぎるような気も。「ぶつけはじめる」というところもあるから、すこしコミカル寄りで読むのが正解なのかな?
好きなのは二首目。

獅子座には獅子座の都合ありまして魚座とは違う水の求め方

どんな水の求め方なんでしょう。
違いについてを星座で言う、というのがまた良いです。スタイリッシュ!

◆麻倉ゆえさん「星を見ぬまま夢から覚めて」
これもまた相聞!ガッキさんのは割とすっきり都会的な感じでしたが、こちらは女子!なかわいさがあふれています。
星の瞳や、回転といった星特有の特徴を恋愛にはめて、かわいいです。
後半は死や痛みが出てきてちょっと読んでいると苦しくなる……。
好きなのは二首目。

会うたびにココアを頼む貴方へと想いを注ぐミルク・ディッパー

道具立てもかわいいし、想いを注ぐ、という道具として使っているのがミルクなのが良い。
砂糖だと甘すぎるし、苦い系でもなくて、ミルクですっきり。
調べて知ったんですが、ミルクディッパーって、「牛乳さじ」の他に「南斗六星」の別名でもあるんですね。

◆壬生キヨムさん「サンドウィッチ星屑抜きで」
今回一番すきな連作でした。物語になっているのが楽しくって!
連作はじめが「それ以来」から始まるというのがもう……あざといですね!
星を食べる子供、星を探しにくる月、叔父さんとけんかする月……。
物語というか、設定というか。大好物なのでもっと読みたい!と思いました。
好きなのは一首目。

それ以来ウインクすると星が出て何度も月に投げつけたのだ

やはり「それ以来」がきいてます。ウインクで星が出る、というのは漫画的な表現ではあるのだけど、それを月に投げつける、という動作が良い。漫画的なところを通り越して、一気にメアリー・ポピンズ的な展開に。
投げつけた、というのは結構激しい言葉なんだけど、ウインクで相殺されて、痛いイメージではないんだなとわかる。子供が水投げしているようなイメージなのかな。

◆千原こはぎさん「まるで星」
相聞です。やはり軽やかなイメージなのだけど(星座がテーマだとやはり軽やかになるのかしら?)、もっとなんというか、熱くて、はかないイメージがあります。宇宙で恋の重たいイメージも出してきている。
宇宙語、星座の見下ろすところ、といった言葉が後ろに出てきて、超越したイメージもある。
この人は体の中に宇宙があって、それが恋に反応しているのね。
外側の比喩ではなくて内側への比喩。それが無重力ではなく闇の重力を呼び出しているというか。
好きなのは四首目。

まるで星、まるで熱、それからまるで毛布みたいなひとにだかれる

「まるで」の三回押しが恋の熱として伝わってくる。勢いと混乱と、理性的でない感じ。感覚的。
毛布みたいなひとっていうと、大きなひとにすっぽり包まれるみたいにぎゅーっと抱かれているイメージ。熱が伝わってくる。星みたいな、というのは、前の一首「背骨までまたたいてしまうほど」を引きずってきて読んでしまうとわかりやすくて、つまり星も熱も、自分の中ではじけてしまっている感情。火花みたいにぱあっと光って熱くなってわからなくなってしまうのだけど、それを毛布みたいに大丈夫、ぎゅーって包まれるのね。
その対比も好きでした。

◆門脇篤史さん「六畳一間の小宇宙」
ここまで割とキラキラしてファンタジックなイメージの連作が多かったのですが、門脇さんぐっと現実寄り!
この冊子どうしても星宇宙の浮遊感があるので、どうしても読むときそちらよりになってしまうのですが。
うまく星型のピノとか、光とかが使われているのですが、部屋の重みに引き寄せられて、重量感があります。
少し寂しい雰囲気の連作です。一人の部屋で。
好きなのは一首目。

いつからか矢野商店はLAWSONとなりて夜中の街を照らせり

これ、いい歌ですね。田舎なのかな、昔は矢野商店だったお店が、いつのまにか商店を閉じて、LAWSONをはじめてしまった、というふうに読みました。矢野商店は夜中はやっていないけど、LAWSONはやっている。時の流れの寂しさと同時に、夜中の街、青いひかりをぼんやり見つめている作中主体が浮かび上がります。

◆阿南周平さん「天体観測」
またまた軽やかな相聞。と思いきや、こちらの連作は、相手の「君」だけが星として、キラキラしたものとして歌われていて、作中主体は普通の人としてちょっと外側にいるのかな、と感じました。
君が星空へ連れて行ってくれる、という印象。あくまで印象なのですが。
エッセイから、作中の二人が別れたことがわかります。作中にも、なんとなく過去なのかな、という表現があって、だから思い出の君だけがキラキラしているのだろうか。
好きなのは一首目。

はじまりを覚えていますか 真夜中に一番星を探し当ててよ

上の句と下の句の言い方が違う。テンションも違う。
上の句は、明らかに今の作中主体の問いかけ。では下の句は?エッセイと合わせて読むと、これは今の作中主体と昔の作中主体両方の言葉なのかなと思いました。
真夜中に一番星を探し当ててもらうことで、もういちど恋がはじまる。

◆篠田葉子さん「白夜」
相聞。ペルセウス、ガリレオ、アンドロメダ、ちりばめられた言葉が神話みたい。この連作での銀河は、イコール作中主体。私が銀河の比喩で、銀河の比喩が私。逆向きにも読めるところが面白い。
好きなのは六首目。

失恋をしました好きなひとでしたどこかの星が砂になります

一首で読むより、全体からの一首として読むのが楽しい。
自分イコール銀河だから、失恋をすると自分のどこかが壊れてしまう、つまりどこかの星が砂になってしまうのですね。でも、逆もあり。どこかの星が砂になってしまうので、私も失恋をしてしまう。なんというか、そういう不思議な読み方が出来るのかなと思ったのです。面白いです。

◆小早川さん「補食する夜」
ここまできてはじめて「獅子」テーマ出てきました!
おれさまの恋です。作中主体、キャラが立ってます。
エッセイも物語続きというか、裏話というか。キャラ読みの歌なのかな?
好きなのは四首目。

もう側に来ないでくれとは言えないし来てくれなんてもっと言えない

ツンデレ!でも、わかる!
この両極端というのがまた、良いですね。
これをいいながら、彼(だよねえ?)がどんな顔をしているのだろう、と考えるのがまた、楽しい。

◆仁月圭さん「背伸び」
小早川さんとちょうど対というか、相聞で「獅子」が女性(私)なのですね。冊子は生まれ順なので、こはぎさん編集ではないのだけれど、この並び、良いですね。楽しい!
相手(彼)が乙女座で、私はハンターの獅子座。ライオンを下敷きに、オズの魔法使い(臆病で、勇気が欲しいライオン)や猛獣使いをうまく連作に導いています。獅子座からいろいろなイメージを取り出してみせていて、うまいなあ、と思いました。
好きなのは五首目。

「綺麗だね」微笑むだけでライオンを檻にあっさり閉じ込めちゃうの

ハンターで「ライオン」で私が君を狙っているのに、乙女座の彼の微笑みにあっさり私の中のライオンは檻に閉じ込められちゃう。ライオンは、恋愛で攻めていく追っかけるほうの気持ち、かしら?
手練手管用意して、「あなたを落としてみせる!」と意気揚々と行ったのに、あっさり落とされてしまう作中主体……。かわいいです。

◆宮嶋いつくさん「ライオンはまた寝ている」
ライオン続きですが、前お二方と違って、相聞ではありません。どちらかというと、社会に対して戦うライオン、という連作。お父さんなのかな?日常詠をライオンの比喩で読んでいるようです。
それが楽しい。奥さん(や娘さん?)に怒られて、あしたからがんばる、と言ったり、就寝前に猫草(サラダ?)を食べたりしているお父さん。少しコミカルな一連でもあり、微笑ましくもあり。
好きなのは二首目。

雌たちに怒られて雄ライオンは伸びをする あしたからがんばる

やはり社会と戦うよりも、微笑ましくてかわいいのが好きでした。

◆池田毅さん「戦争とライオン」
打って変わってずっしりとシリアスな一連。戦争詠。
後半は戦時中の動物園の話が元になっているのでしょう。
痛々しい歌です。
池田さん、終戦日のお生まれなんですね。

兵隊が銃を構へて獅子を撃つ飼育員なき動物園で


◆ソウシさん「地学履修者の夏」
日常詠、銀河的なもの、浮遊感はでてくるのだけど、どちらかというと、現実(過去)の風景の方が強い。
多分、銀河とかそういう道具もあるんだけども、「マグカップ」「写真」「前髪」とか、かなり身近なキーワードが出てくるからでしょう。そういう作り方をしている。うまいなあ、と思いました。
前髪、が特によい!

前髪の貼り付く額はりつけて銀河の速さ割り出す僕ら

はりつく はりつく のリフレイン、前髪が貼り付く(おそらく誰もが体感したことがあるだろう)身体感覚、その身近さと対比しての「銀河の速さ割り出す」という非現実感!(しかし地学履修者は本当にやったであろう、という、あくまで現実から離れない姿勢)、絶妙です。


◆chariさん「ムーミン谷はおおさわぎ」
一連すべてムーミン谷!……と見せかけて、現実を割り込ませていますね。
インターネットや都市伝説……。
ムーミンの登場人物の名前、響きがかわいくって、それがうまく使われていると思いました。
比喩として読まないほうがいいのかなあ。ムーミン好きの作中主体の中で、シャッフルされている、という感じなのでしょうか。
好きなのは二首目。

この星のインターネットを破壊しておさびし山を元の姿に

比喩として読んでもよいし、「おさびし山」って、原作の扱いをしらないのだけど、知らなくてもどんな山なのか、なんとなく絵本的な風景として立ち上がってくる。それに対するインターネット。
都会的なものと、絵本的なものとの対比、というのもちょうど良くて、面白いミックス具合になってます。

◆なつくらさん「あのころ。」
軽やかに相聞。おお。女子高生ではないですか。
いいですね。キラキラ!なのだけど、ちょっとした言葉遣いのラフさが、キラキラしすぎず読者を現実に呼び戻していて、いい味がでています。「カクカク」「ぐでん」「どうとか」「起きてませんか」などなど。
好きなのは三首目。

しし座って皆ロマンチストなんでしょう あなたも思うの?夜空がどうとか

空き、多分半角あけだと思うんだけど……あってるかな?
「夜空がどうとか」と「しし座」のひらがながきいてます。どうとか、っていうのがいいですね。このラフで投げやりな感じ。しし座、って口にするときのなめらかじゃない感じも出てます。ちょっとコミカル感。

◆酒井真帆さん「銀河の此岸」
こちらもキラキラ相聞。なつくらさんとはまた違って、現実を銀河側に押し上げていく感じです。
銀河の上での相聞、という感じがします。星の物語を背負っている。
それを想像するのが楽しい一連。
好きなのは二首目。

真夜中に逢いに行きます星に名をつける書類を一式持って

星に名をつける書類、なんて、現実にはきっと持っていかないのだろうけど、そういう儀式なんですね。
ファンタジーとして読むとこれがとっても楽しい。
もちろん、星に名を付ける書類、を何かの比喩だと考えることも出来るけれど、そう考えるととたんに面白くなくなってしまう。星に名前をつける、というのがロマンチック。しかも書類。素敵です。

◆南瑠夏さん「星の種」
星なのだけど、星の連作なのだけど、夜のキラキラではなくて、昼、明るすぎる光の寂しさが読まれた一連。
夏休みの感じなのかな?こころの僅かな動きとか、かすかな痛みに注目している、その繊細な感じが良いです。
もう少し長い連作で読む方が、もしかしたら楽しめるかも。
好きなのは四首目。

雨の日は輝けなくて死者たちも空から降ろされ一緒に眠る

最初素通りしてしまって、ちょっと考えて、なるほど……と思いました。
死者は星になる→雨の日は輝けない という連想なのですね、その連想はなかったのでびっくりしたのと、さらに輝けないので「空から降ろされる」という発想にさらに驚きました。それで、「一緒に眠る」!
雨の日は、つまり、死者たちと並んで一緒に眠る(=私と死者は同列=死者たちに近づける)のだという。
この発想の続きをもっと読んでみたい……。

◆杏野羊さん「獅子座のふたり」
二人が出てくるけども、相聞、という雰囲気ではなさそう。宇宙、星座、月、などの言葉を綺麗に配置して、言葉で華やかな世界を構築している、という印象。それほど重い世界とか、そういうところまではいかないのだけど、タロットカードのような楽しさがあります。
好きなのは六首目。

夜という言葉に他の意味合いがありそうですね月が真っ黒

一気に言い切る感じがとても良い。月が真っ黒、というのが新月?なのかなと思うのだけれどもなんだか、こう、嘘ついたでしょう目が泳いでるからわかるよ、的なといえば伝わるのかな?その、下の句が上の句の理由みたいに言っているでしょう。「黒い」ことが夜とつながっているんだけど、そこの意味はわからなくて、おそらく言われている人もわからなくて、占い師に言われているみたい。そこがとても面白い。

◆鳩麦さん「獅子よ自信家の猫になれ」
(私と同じ生まれ日!)
言葉使いでぐっと現実に引き寄せる手法。星のキラキラじゃなくて、日常の中に出てくる恋愛のキラキラ。
でも、「乳ボーロ」で幼い恋。
「キャラじゃないし」「したかったんだ」など、口語で日常感があふれています。でも、一方で一番星を吸い込むなどロマンチックなところも魅力。
好きなのは一首目。

まだ星を知らない君は散らかった乳ボーロにしか見えないかもね

一読して何を言っているのかわからなくて、乳ボーロにしか見えない君、というのも、現実ではつまりどういうことかわからない。だけど、星を知らない、と散らかった乳ボーロ、でつまり、銀河にはまだなれていない君、というのが立ち上がってくる。それに、乳ボーロという言葉選び。チェリーボーイ、とばかりに幼さを揶揄するようで、でも、かわいいのよね、という雰囲気もある。乳ボーロまで言ってしまうと、本当に年下、母親からみた子供、というぐらいの可能性もある。(なにしろ星を知らないし)。乳ボーロを星に見立てるという発想も素敵です。

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私はファンタジー短歌を作りたいのだけど、そういうのは今時はやらないのだろうか。

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